ひょっくらニューヨークに行ってきた話-ユースとしてできること

高校生のときに、将来は「今からニューヨーク行ってくるね!」と言ってそう、と友達に言われたことがある。今回の小旅行はそれに近かったかもしれない。先週末の三日間、ニューヨークの国連本部で開催された、Economic and Social Council Youth Forumに参加してきた。これは、Sustainable Development Goals (SDGs)の達成に向けてユースの意見を集める場として開催された会議である。行く前はどんなものか全く想像ができなかったが、会議の終わった今、考えたこと、ユースの一人としてここで言わないといけないと思うことがある。

 

まず、SDGsについて知っている人はどのくらいいるだろうか?知らない人向けのおすすめ動画としてこれが(世界各国のユースに向けて)紹介されていたのでここでもシェアしようと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=H5l9RHeATl0

SDGsとは、簡単に言えば「持続可能な社会の実現のため、2030年までに世界全体で達成すべきものとして国連で決められたゴール」であり、経済・社会・環境等の側面に分かれた17の大目標で構成されている(例えばゴール1は「貧困をなくそう」)。今回の会議では、SDGs達成に向けて世界各国のユースが意見を述べる場が与えられた。参加者は高校生から社会人まで幅広かった。そして、国連で働く「大人」に向けて自らの提案を、熱意を持って語るのだ。高校生ながら参加している人、あるいは働きながらも同時にユースとしての活動を個人的に行う人がいたことは、どちらも刺激的だった。一番印象的だったのは会議の後半、熱を帯びた会場での議論だった。「若者はスキルがないから意思決定に関わることができない、という主張は誤りである。彼らには十分な能力と権利がある」そうはっきりと発言する彼女の思いの強さは言葉以上だった。また、クリアかつ良く選ばれた言葉遣いで完結に提言を行い、最後にフランス語でも主張を添えた他のユースの真剣さは画面越しでも私の心に響いた。

 

世界に貢献するために強い思いで努力を続ける人たちがこれほどいるのだ- 本会議場とは別の部屋でモニターで会議を視聴していた私は、色々と考えさせられた。今回は予め入ることのできる部屋が定められていて、私にはいずれにせよ会議での発言権はなかった。しかし、発言権があったとして、私は彼らほど強く何かを語れるだろうか、あるいはこれまで何かを語ったことがあっただろうかと考えた。それと同時に「ユースである」という事実の重さを初めてここまで感じた。これまで学生として、Climate Youth Japan (CYJ)SUS+ UTokyoなどで気候変動やサステナビリティに関する活動は続けてきた。しかし、「ユースとしての使命」についてきちんと考えてこなかったと気が付いたのだ。そして思った。私はユースとしてしっかりと意見を持ち、それをもっと発信する必要があるのだと。単に興味があるから学ぶというだけではなく、この活動をもっと社会に還元しないといけない。自分がこれまで極めて恵まれた環境ですごしてきたという事実に対する恩返しを早く始めなければならない。誰かに寄り添える人になり、かつ彼らの役に立てる影響力を持たなければならない。「ユース」という、ときに過小評価されがちな、しかしときに極めて大きな影響力を持つ立場を利用して。

 

私にとって、国連という場所はある種の記憶を思い出させる場所である。「国連に勤めること」が、世界に貢献する最も理想的な選択肢の一つに感じ、国連職員を招いたりすることで、アジアやアフリカでの問題について仲間と学校内で勉強会を実施してきた高校生の頃。今では他にもずっと多くの選択肢があることを知っている。そして今回初めて、あのとき憧れていた「国連」という舞台に足を踏み込んだ。だからこそ、自分がこれまでやってきた全ての活動について考えさせられたのだ。せっかくやるなら、自分と目指す目標との間を結ぶ直線的な狭い範囲ではなく、周りにも何か良い影響を与えられる方法でしなければならない、特に「ユース」である今のうちに。

 

高校生の時に、世界で活躍する方のお話を聞く中でいただいた言葉の中で二つ、極めて印象的なものが二つある。「人の役に立つには努力しなければならない」「失敗したらもう一度挑戦すればいい。またダメならもう一度。それでもダメならまたもう一度、成功するまでやればいい」物事を知れば知るほど考えることは増えるけれど、初心を忘れず、自分でやるべきこと・できることを果たしていきたいと思う。